AWSのLightsailを使い始めました。当初はMinecraftサーバにしようとしたのですが、3-4人でプレイすると重くてプレイできなかったので、WordPress用として構築することにしました。
Lightsailとは
Lightsailとは、AWSで提供されているVPSの1種です。AWSで似たようなサービスにAmazon EC2がありますが、LightsailはEC2のように他のAWSの色んなサービスを組み合わせて使う、といった高度な事が出来ない代わりに、料金が安く、かつ月額固定料金で気軽に使えるのがポイントです。最低月$3.5から使えます。EC2は従量課金なので、使った分だけ請求されます。
高度なことが出来ない、といっても標準的な機能(ロードバランサ、スナップショット、ファイアウォール、DNS、、等)は備わっていますし、また、インスタンスの作成時にあらかじめWordPress、LAMP、Node.js などのアプリケーションを使える状態で作成することもでき、すぐに環境が出来上がるのもLightsailのメリットです。
ということで、普通LightsailでWordPressを始める場合、OSとWordPressのパッケージがセットになっているインスタンスを作成することですぐにWordPressの環境が出来上がるので、ほとんどの方はそうする事と思います。今回は、私を含めあえてOS(CentOS)だけインストールした状態からスタートする物好きな方のために、手順や注意点などをまとめています。
動作環境
以下のインスタンスを作成しました。
- プラットフォーム:Linux
- 設計図:OSのみ
- OS:CentOS 7 2009-01
- プラン:$10(メモリ2GB/1vCPU/60GB SSD)
Apacheのインストール
まずは必要なパッケージをインストールします。必要なのは、Apache、PHP、MariaDB(MySQL)の3つですが、PHPとMariaDBは公式のリポジトリのバージョンがイケてないので、通常とは違うやり方でインストールします。
よって、まずはApacheからインストールします。
# yum -y install httpd
# systemctl start httpd
# systemctl enable httpd
PHPのインストール
続いてPHPをインストールしますが、前述の通り公式のリポジトリだと古いバージョンがインストールされてしまうので、別のリポジトリからインストールするようにします。
EPELリポジトリの追加
# yum install epel-release
PHP設定のバックアップ(特になければ不要)
# cp /etc/php.ini /etc/php.ini.old
現在インストールされているPHPの削除
# yum remove php-*
新しいバージョンのPHPのインストール
# yum install --enablerepo=remi,remi-php73 php php-devel php-mbstring php-pdo php-gd php-xml php-mcrypt php-mysql
# systemctl restart httpd
ちなみに、上記の remi-php73 を 56/70/71/72 などと変えることでPHP 5.6.xやPHP7.0.xなどのバージョンを指定してインストールすることも可。
インストールできたら、以下の流れでPHPの動作バージョンを確認する。
# cd /var/www/html
# vi info.php
/* 以下の内容を記述 */
<?php
phpinfo();
?>
/* 保存して閉じる */
:wq!
保存したら、ブラウザからアクセスしてPHPのバージョンを確認する。
http://LightsailのIPアドレス/info.php
PHP 7.3.x になっていればOK
MariaDBのインストール
リポジトリの追加
# curl -sS https://downloads.mariadb.com/MariaDB/mariadb_repo_setup | sudo bash
MariaDBのインストール
# yum -y install mariadb-server mariadb-client
# systemctl start mariadb
# systemctl enable mariadb
データベースの作成
WordPress用のデータベースを作成します。
# mariadb
MariaDB [(none)]> create database データベース名 default character set utf8;
WordPress用のユーザを作成します
MariaDB [(none)]> GRANT ALL ON データベース名.* TO ユーザ名@localhost IDENTIFIED BY 'パスワード';
MariaDB [(none)]> FLUSH PRIVILEGES;
データベースとユーザが正しく作成されたかは、以下のコマンドで確認できます。
ユーザの確認(他にもいくつか出ますが、作成したユーザが含まれていればOK)
MariaDB [(none)]> SELECT host,user,password FROM mysql.user;
+------------------------------------------------+-----------+-------------------------------------------+
| host | user | password |
+------------------------------------------------+-----------+-------------------------------------------+
| localhost | ユーザ名 | 暗号化されたパスワード |
+------------------------------------------------+-----------+-------------------------------------------+
データベースの確認(以下は一例)
MariaDB [(none)]> SHOW DATABASES;
+--------------------+
| Database |
+--------------------+
| test |
| wordpress |
+--------------------+
WordPressのインストール
ここからいよいよWordPress本体のインストールです。
/* wgetがもし入っていなければインストールする */
# yum install wget
# cd /var/www/html/
# wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
# tar xvf latest-ja.tar.gz
# chown -R apache:apache .
/* フォルダ名を変えたい場合は変更する */
# mv ./wordpress ./xxx
さっそくブラウザからアクセスしてみます。
http://LightsailのIPアドレス/wordpress/
WordPressの初期画面が出れば成功です。
あとは、ユーザ名やらデータベース名など設定していけば、インストールが始まります。(画面を撮るのを忘れました。。)
以上です。
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